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故郷・北海道の物語

北海道のセミ

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    『北海道のセミ』




   蜩(ひぐらし)は、北海道のセミではない、北海道には、

   蜩(ひぐらし)はいない、とずっと思っていた。

   鳴き声を聞いた記憶がないからだ。





  蜩(ひぐらし)。泣き声を
  とって「カナカナ」とも。

私は、内地(=本州)で暮らすようになってから、初めて、

蜩(ひぐらし)の鳴き声を聞いている。


伊豆の
修善寺温泉付近を、パートナーのチャコさんと

車で走っていた時が、最初だったと思う。

遠くの林の中から、

「カナカナカナ……。」

という、なんともいえない物悲しいような鳴き声が聞こえてきて、

いっぺんに、このセミを気に入ってしまった。



北海道では聞いたことがなかったので、インターネットで

「北海道 セミ」を検索してみたら、何ということか!

「北海道にもいる」と書いてある。



すごいね、写真が載っているだけでなく、鳴き声を聞くことの

できるサイトまであった。 (「調査する 生き物の図鑑」




蜩(ひぐらし)の鳴き声を北海道で聞いたことがなかったのは、

町中に住んでいたからなのだろうか?



私自身は、蜩(ひぐらし)は、山深いところで鳴くという感じがしている。



それにしても、一時期は、函館山の近くに住んでいたのだから、

聞いたことがあって不思議ではないのだが。



今、埼玉の我が家にいる。

この家で、これまで蜩(ひぐらし)の鳴き声を聞いた

ことはない。

ちょっと前まで、うるさいくらいに鳴いていたミンミン

ゼミは、一休みのようだ。

今、外では、遠くでツクツクボウシが鳴いているのが

かすかに聞こえるている。
  これが、ミンミンゼミ。

かつて、私が初めて赴任した北区の小学校に、三宅島から転任してきた男の先生がいた。

児童文学書を執筆していて、本も出版している文学青年の先生だった。


その先生から、何かの折、

「ツクツクボウシの鳴き方」

というのを教えてもらったことがある。


彼から教えてもらった鳴き方というのがふるっていた。


「オーシンツク、オーシンツク、オーシンツク」

と15回〜19回くらい鳴いた後に、

「フルシチョフ、フルシチョフ、フルシチョフ」

が4回ほど続き、最後に

「ジー」

で終わる、というのだ。
          ツクツクボウシ。
      今年は、9月中旬まで鳴いていた。



教えてもらった当時は、今のロシアはまだ「ソビエト連邦」

だった。

「オーシンツク」も、当然「フルシチョフ」も、「ソビエト連邦」

的な表現で、まさか、「ツクツクボウシ」が、「ソ連」の回し者、

などとは、当然、思わなかったものだが…。
      旧ソ連、フルシチョフ首相。
「ツクツクボウシ」の鳴き声が聞こえてくると、今も、私は、「オーシンツク」や

「フルシチョフ」の回数を数え始めるのだが、中々、回数が確定しない。



「オーシンツク」の方は、20回を超えてしまうこともある。

「フルシチョフ」は、3〜4回のことが多い。



回数がすべてこの通りというわけではないが、ツクツクボウシの鳴き声が

聞こえていて、何ともいえず暇な折には、皆さんも、

(本当に、そんなふうに聞こえるのかナァ。)

と、ぜひ確かめてみるといい。



かなりな暇つぶしになるだろう。




「ツクツクボウシ」の鳴き声に関しては、
「ツクツク」が先に聞こえるか、

「ボウシ(オーシン)」が先か等、かなりの議論があることが分かった!



2007年の今夏の段階では、私は、「ボウシ(オーシン)」が先、と思って

いるが、来年の夏あたりには、「結論」をまとめることができるだろうと

思っている。


(追加)
 こんなサイトを見つけた。

 「ツクツクボウシはどう鳴くか

これは、 『自然原理主義』というサイトの中の 「自然観察の部屋」という

コンテンツの一部のようである。かなり面白そうなサイトなので、あとで

ゆっくり訪問してみようと思っている。


ついでに、「ツクツクボウシの鳴き声」を撮ったユーチューブの画像を

見つけたので、貼り付けておく。

 「昆虫_セミ_ツクツクボウシ(ツクツクホウシ)の鳴き声」


これで聞いてみると、どうも「ツクツク」が先のような感じだ。

「ボウシ」のほうが音が大きいので、自然界では、「ボウシ」が

先に聞こえるのかもしれない。     (2013年2月13日)


三宅島から転任して来た、あの当時私よりも4〜5歳くらい年上だった男の

先生は、『東京どまん中セピア色』、『カツオドリ飛ぶ海』など、たくさんの

児童文学書を出版されている。


同人誌『牛』で、まだ活躍されているのだろうか。
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